翼状片 翼状片
 

翼状片(よくじょうへん)

眼球を地球の形にたとえると、赤道に相当する水平線領域に発症。
白目の表面を覆っている半透明の膜である結膜組織黒目である角膜上に侵入してきてしまう病気です。

翼状片 原因と症状

翼状片目頭(めがしら)の方から黒目に三角形状に入り込んで、自覚症状としては充血や異物感などがあります。鏡で自分の目をみれば一目瞭然なので、「白目の一部が黒目に伸びてきた」というような症状で受診される人がほとんどです。しばしば両目に起こります。高齢者に多く紫外線が関係しているといわれていますが、原因ははっきりしていません。最近ではコンタクト装着による刺激と慢性的な乾燥も発症原因と考えられています。

偽翼状片

目の外傷・熱傷・化学眼外傷・角膜潰瘍などの回復過程で、翼状片に似た病状が出現することがあります。これを偽翼状片と呼びます。治療は翼状片に準じて行われます。

翼状片の治療

翼状片自体は悪性の組織ではなく、症状がなければ放置しても問題はないのですが、充血や異物感が強くなってくれば点眼治療をおこないます。また、翼状片が瞳の近くまで伸びてくると乱視が発生して見えにくくなるため、この場合は手術が必要となります。ただし、この傾向は年が若いほど顕著であり、翼状片を摘出するのみでは再発することも多く、結膜弁移植や自己結膜移植といった再発予防策を同時に行うことも重要です。特に若い方(50歳未満)では、こうした予防策を講じても再発する確率はなおも高いです。

翼状片の手術

点眼による局所麻酔をおこなったあと、球結膜下に麻酔薬を注射します。その後、翼状片組織の切除をおこない、切除部に健常部位の球結膜を切除して移植します。
程度の軽いものでは約15~20分程度で終了します。再発例など重症のものでは30~45分ぐらいかかります。症状の程度によって、有茎弁移植(隣接する健常球結膜を伸展して切除部分を覆う)をする場合と、遊離結膜弁移植(切除部分から離れた部位の健常球結膜を移植)をする場合があります。

山田眼科