発達緑内障 発達緑内障
 

発達緑内障(小児緑内障)

視力検査生まれつき眼圧が高いことから視力障害をきたすような神経障害が生じる危険性のある状態を指し、「牛眼」や「発達緑内障」と呼ばれています。
眼圧が高くなることにより黒目が大きくなります。偶角の発育異常で眼圧が上昇します。
●早発型発達緑内障=生後1歳までに発症する
●遅発型発達緑内障=10歳から20歳代で発症する
●他の先天異常(無虹彩症、スタージ・ウェーバー症候群、ペータース異常など)で発症する3つに分類されますが、いずれも症状は出生後あるいは乳幼児になってからでないとわからないのが一般的です。

先天緑内障は、視力を守るためにも早急な対応が求められる病気であり、先天的(生まれつき)な緑内障を(発達緑内障)では、早期発見のために乳幼児に段階から専門医の診察が重要になります。生後1年で目に異常があるかもしれないと感じたら診察を早く進めることが大切です。

発達緑内障 原因と症状

早発型発達緑内障

生後1歳までに発症する緑内障で、症状として眼球が拡大し、流涙、羞明(光を極端にまぶしく感じる)・眼瞼けいれん(まぶたがピクピク動く)・角膜混濁(黒目が白く濁ってしまう)、角膜径拡大(黒目が大きく見える)などの症状があります。


遅発型発達緑内障

10歳から20歳代で発症する緑内障です。早発型発達緑内障のような症状はありません。遅発型発達緑内障は、自覚症状がなく緑内障を若年層が意識していないので、発見が遅れる場合があります。
治療方法は、薬物治療から開始し、効果が見られない場合は、レーザー治療や手術となります。親御さんがお子さんの目の変化を気にすることが大切です。


発達緑内障の予防

特に確立した予防はありません。 変化を感じたら点眼治療から開始する事になります。

発達緑内障の治療

先天緑内障は、放置することで失明のリスクがあるため、早期治療は必要です。
発育途上であるため隅角の発達が未熟で眼圧が上昇しているため、眼圧低下を促すための手術が検討されます。また、必要に応じて、薬物の使用や、眼鏡、アイパッチなどの使用も併用します。
視力を守るためにも早期に医療機関で診療を受けてください。

発達緑内障の手術

線維柱帯切除術

国内も含め世界で最も多く行われている緑内障手術です。角膜の上端の所で線維柱帯、およびシュレム管を含む強膜の内層半分を切除することによって眼球壁に開口部を作り、眼内の房水(前房を充たしている透明な液体)(図矢印)を眼外の結膜下へ導きます。人工的に流出路を作って余剰な水分を眼外へ導き眼圧を下げます。

線維柱帯切開術

房水の排出口である線維柱帯の目詰まりが原因で眼圧が上昇している前提で、線維柱帯を切り拡げる手術です。これにより房水の流出量が増加して眼圧が下降することを期待する手術です。

周辺部虹彩切除術

瞳孔ブロックを解消して前後房の圧力差を無くして隅角を開大する事です。
レーザー虹彩切開術は、点眼麻酔を行い、虹彩切開様のコンタクトレンズを使用して行います。レーザー照射する箇所は、普段まぶたに覆われている上側か鼻側の虹彩周辺部に行います。片方の眼で瞳孔ブロックがある場合は、両方の目が同じ症状になる可能性が高いために、治療後に他の片方の眼にも予防的にレーザー虹彩切開術を行います。

山田眼科